所信

平成25年4月22日

平成25年(2013年度)親和全期会代表幹事
堂野 達之

昨年度の年度末総会において、平成25年度親和全期会代表幹事にご選出いただきました。本年度は、的場美友紀副代表幹事、菊地真治事務局長をはじめとする執行部とともに、全期会員の皆様のために力を尽くし、邁進していく所存です。ここで、代表幹事としての所信を述べさせていただきます。

1. 親和全期会と全期会員の現在と将来

我々弁護士の世界は、若手会員の急増という事態に伴って、様々な問題が山積していると語られています。しかし、ことさらにマイナスイメージが強調されることに、私は強い違和感を持ってきました。

これまでの議論では、若手弁護士は経済面等で支援されるべき「客体」として捉えられがちでした。しかし、内外で真に求められていることは、若手世代の弁護士各人が自ら責任ある仕事や案件に取り組むと共に、会務活動や公益活動、人権活動を「主体」的に担っていくことであり、このことが弁護士一人一人のやりがいや生きがいにつながっていくのではないかと感じています。一つ一つの行動の積み重ねから、そのような機運や成果が自ずから生み出されていくものと信じています。

その意味で、親和全期会の存在、活動は重要な意義があります。

親和全期会は、これまでも企画、業務研修、会務政策の面から様々な活動を行ってきました。そして昨年度は、山本昌平代表幹事のリーダーシップの下、地方の若手弁護士との交流、法曹養成問題に関するアンケートの実施、全期会員の日弁連理事への輩出とそのバックアップと、様々な取り組みを意欲的に行い、特に会務政策面での意識の向上は目覚ましいものがありました。

今年度は、昨年度の成果や実績を踏まえて、次に述べる指針や目標を掲げて、さらに質的にも量的にも充実した活動を目指していきます。

2. 本年度の指針「人が集まる親和全期会」

本年度は「人が集まる親和全期会」をモットーとします。人が集まって出会い、親睦を深め、様々な意見が交わされることで、小さくても何かかが変わり、大きな成果につながっていくのだと思います。

親和全期会の特徴は、何と言っても、会員が楽しく、和気藹々として参加できることです。その伝統を大切にし、より発展させていくと共に、今年度は一人でも多くの会員が一つでも多い機会に全期の活動に参加していただきたく、参加者の「数」にもこだわってみたいと考えています。

3. 本年度の目標

本年度は、次の3本柱を目標として掲げます。

① 法律相談の拡充
② 若手世代による東京弁護士会の会務政策への積極参加
③ 民事司法改革の推進

(1)  法律相談の拡充に関しては、既に業務推進委員会の主催により、江戸川区において事業者向け無料相談を3年にわたり実施してきました。多くの相談者の方からご好評をいただき、また相当な受任があります。

親和全期会(以下「当会」といいます)は、業務推進委員会内にPTを立ち上げてさらに法律相談を質的にも量的にも拡充し、既に新宿区において6月に無料法律相談を実施する予定であり、他にも様々な場での無料法律相談を企画しています。また、相談担当弁護士のスキルアップのための研修企画も予定しています。

当会の法律相談は、「二人一組」で相談を受ける体制が特徴であり強みです。この強みを生かして、弁護士の側から企業や市民に積極的に働きかけていくアウトリーチを進めていきます。

(2) 若手世代による東京弁護士会の会務政策への積極参加に関しては、当会は3年前に東弁10年構想の意見書を出しましたが、それを踏まえて、若手ならではの具体的なアイデアを出し、現実の会務や政策に反映させていきたいと考えています。

そして、若手世代の会員が、東京弁護士会の会務や政策に中心的に関わっていくためにはどうすればよいか、その準備や研鑽にも努めてまいります。

(3) 民事司法改革の推進に関しては、私が昨年度日弁連理事を務めさせていただいて痛感したのは、民事司法改革、民事司法の諸制度や制度基盤の改革が遅れているということです。

この点、日弁連も活動を展開していますが、当会としても、好評をいただいた30周年シンポジウムでの研究や成果を踏まえて、理論を現実の政策に結びつけるべく、今年度よりPTを立ち上げて始動してまいります。

4. 本年度の展開-委員会を中心に

当会は、各種委員会が活動の中心を担ってきているため、委員会ごとに本年度の展開を述べさせていただきます。

(1) 企画委員会

何と言っても、当会の「華」は親睦の企画です。

これまでの夏の親子企画、東京ドームでのソフトボール大会、ディズニーランドでのクリスマスパーティという事実上の「3本柱」は勿論として、人権大会ツアー、公設事務所訪問ツアー、同期会、女子会男子会、各種鑑賞、施設見学といった楽しめる企画を、どんどん実行していきたいと思います。

(2) 研修委員会

今年度は「かゆいところに手が届く」研修をモットーに、若手会員にとって実践的で分かりやすい研修会を、月1回ペースを目標に開催していきます。そして、研修会の後の懇親会にも、一人でも多くの会員に参加していただくことを目指しています。
定例の研修会以外にも、楽しくて役立つ研修企画を随時開催していく予定です。

(3) 業務推進委員会

業務推進委員会は、事業者向け書籍の執筆出版など、設立した平成19年より継続的に活動を続けています。

先述した法律相談以外にも、若手税理士との交流会を続けており、ベンチャー経営者向け書籍の執筆にも着手し、各種業務に役立つ研修や外部との交流会等の企画を準備しています。

(4) 会務・政策委員会(会務研究委員会)

本年度も、当会は的場美友紀副代表幹事を日弁連常務理事に選任していただき、昨年度に引き続き日弁連理事バックアップPTを月2回ペースで開催し、日弁連の会務や政策の研鑽、若手世代の意見の反映に努めてまいります。

また、言うまでもなく、弁護士による公益活動、人権活動は質量共に大変な広がりをもっており、人的物的にも活動の根幹を支えています。若手弁護士として少しでもこれらの活動への参画やバックアップを行うことを考えています。

そして、目標に掲げた「若手世代による東京弁護士会の会務政策への積極参加」を少しでも実現していくべく、研鑽や準備を進めていきます。

(5) 広報委員会

当会がどのようなコンセプトでどのような活動に取り組み、実際に会員に評価されているかを知ってもらうためには、積極的な広報が欠かせません。

ホームページを中心にタイムリーな情報提供と共に、多くの会員が参加できる広報記事の企画や、全期メーリングリストの活性化を考えています。また、各所で大好評のOYD(お役立ち情報)の改訂も予定しており、一人でも多くの会員が楽しんでアイデアを出してもらいたいと思っています。

5. 終わりに

「親和」とは「親しい」の「親」に「和合」の「和」です。

この名前にふさわしく、親和全期会の活動は常に楽しく、和気藹々としています。今年度はこれに「前向き」という要素も加えて、一年間張り切って取り組んでまいります。

皆様にもご支援ご指導ご鞭撻いただきたく、よろしくお願いいたします。

以上